チョコレートコラム第3回。今回は「チョコレートのテンパリング(温度調節)」についてお話しいたします。
ぜひ新商品開発などにご活用ください
目次
第2回コラムでは、カカオ原料や砂糖、粉乳などからチョコレートを作る工程を紹介しました。
チョコレート工場で作られた液状のチョコレートは、冷やしかためて固形のチョコレートにしますが、美味しいチョコレートにするためには、この冷やし方(温度調節)にコツがあります。
テンパリングとは
チョコレートを取り扱うとき、「テンパリング」という言葉を聞いたことがありませんか?
チョコレートに大切な温度調節のことをテンパリングと言います。
テンパリングを行うことでココアバターの結晶を安定化させ、なめらかで艶のある口溶けの良いチョコレートを作ることができます。
美味しいチョコレートを作る上で、テンパリングは大切な一手間なのです。
では一般的なテンパリングの手順を簡単に見ていきましょう。
一般的なチョコレートのテンパリング方法
- 45~50℃でチョコレートをとかします。(直火は焦げるので湯煎がおすすめです。)
- チョコレートが25~27℃になるまで、ゆっくり混ぜながら冷やします。
- 31~32℃まで再びあたためます。
- 型に流し込み、またはお菓子などにコーティングします。
- 最後に冷蔵庫などで冷やして固めます。
テンパリングを取らないとどうなってしまう?
もし、テンパリングを行わずにチョコレートを作ると、次の様な不具合が生じます。
手で触ったときにべたべたとくっつく
型(モールド)から抜けにくくなる
チョコレート表面に艶が出ない
保存中に表面の油脂が白っぽい状態になる(ファットブルーム)
パキッとした食感が得られず、口どけがわるい
なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか。温度調節をすることでチョコレートに何が起こっているのでしょうか。
チョコレートの溶ける温度は?
チョコレートはココアバター(油脂)の中に、カカオの固形分や砂糖、粉乳などの固形分が分散した構造をしています。
ココアバターはとてもおもしろい油脂で、正しくテンパリングを行って冷やし固めると融点(とける温度)が約33℃の油脂結晶になります。
ココアバターがとけて液状になる温度ではチョコレートも液状となり、ココアバターが冷えて固まる(結晶化)と固形チョコレートになります。
ヒトの体温は約36℃ですから、口に入れるとココアバター(融点 約33℃)がとけて、砂糖の甘さやカカオの香りが口の中一杯に広がります。また、通常の室温(20℃~30℃)であればココアバターは融けないので、チョコレートを固形のままで持ち運べます。
ココアバターを語らずして、チョコレートの美味しさを語ることはできないのです。
東京フードのクーベルチュール
東京フードではテンパリングタイプのクーベルチュールチョコレートを複数取り扱っています。
高品質なクーベルチュールは正しいテンパリングを行うことで、美味しいチョコレートになること間違いなしです。
クーベルチュールプレミアムビター
フルーツ感、華やかさ、ロースト感が広がるカカオマスをブレンドして、風味豊かに練り上げたビターチョコレートです。
製品詳細はこちら
クーベルアメールペレットPU
選び抜かれた原材料を丹念に練り上げたスイートタイプのピュア(純)チョコレートです。
製品の詳細はこちら
クーベルチュールオーレ
コーティングや練りこみに最適なミルクチョコレート。
製品詳細はこちら
※東京フードのホームページに移動します。
もしテンパリングがうまくいかなかったら?
大丈夫です。その時はもう一度チョコレートを温めてとかしてからやり直せば問題ありません。
これもカカオの優しさですね。
それでも、テンパリングって少し大変•••と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方にはテンパリング不要の「ノーテンパリングチョコレート」がおすすめです。
そのお話はまた次回。お楽しみに。
意外と知らないチョコレートの知識バックナンバー
第一回『チョコレートは何からできている?』
みんな大好きチョコレート、いったい何からどのように作られているかご存知ですか?
監修はチョコレートを中心とした製菓材料を製造・販売する東京フード(茨城県つくば市)が務めます。
チョコレートの原料になる「カカオ」についてのお話と、東京フードがインドネシアのカカオ農家と取り組んでいる事業をご紹介します。
第二回「カカオ豆からチョコレートができるまで」
カカオ豆はどのような加工を経てチョコレートに変化していくのかご存知ですか?
チョコレート工場ではどのようにチョコレートが作られているのか、そして出来上がったチョコレートの規定に渡るまで広く簡潔にお届けします。
第四回「意外と知らないチョコレートの基礎知識④簡単便利!ノーテンパリングチョコレート」
テンパリング作業って大変…。そんな時は「ノーテンパリングチョコレート」がおすすめです。どのような種類があるのかを、製品紹介と合わせてご紹介します。
第五回「意外と知らないチョコレートの基礎知識⑤さまざまな形状のチョコレート」
業務用(原料用)ならではの、普段の生活では見られないような形状やサイズのチョコレート製品をご紹介します。
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